原題『 Research-based Teacher Education in Finland: Reflections by Finish Teacher Educators』
※以下個人の覚書レベルの内容です。
元フィンランド教育大臣オッリペッカ・ヘイノネンは当時29歳という若さで就任し、大胆な教育改革を行う。フィンランドの学力向上に大きく貢献。
教育で大切なのは機会の平等です。その基盤があって世界の頂点に立てる高い水準の人材を育成することができます。
教育はいわば”投資”です。国の競争力に関わる問題です。
OECD(学習到達度調査)2000年、2003年学力世界一。リテラシー=情報を読み解く力が試される。
人口が少ない国だから、一部の人だけ教育レベルが高くても国際社会に参入できない、よって全員の教育レベルを高くする。
ひとりの落ちこぼれもださない!
当時失業率20%だった国を立て直すには人に投資した結果、研究開発も活発になり情報通信の分野で活躍できた。ノキアという世界規模の企業が誕生。
やり方としては、国がおおまかな到達目標を決めるだけで、授業内容や教材は学校(地方自治体)の教師が決める。教師の質が上がった。
フィンランドの教育の強みは、教育現場が大きな自治権を持っていること。
学ぶということは、実は繊細で個人的で複雑なもの。大切なのは、「意欲」「モチベーション」。厳しく管理すれば自由を失う。
教師には大学5年。入学倍率は10倍と高い。
自由がある代わりに保護者や生徒に重い責任を負っている。
「考える力」の育成
一番資金を使ったのはコンピュータを使える基本的な環境を用意。使い方を教えることだけでなく、あらゆる授業でパソコンを使用するということ。異なる意見の長所と短所を指摘する問題を作成。
変化に対応するためには、自分で自分を教育しなければならない。
フィンランド人は世界一読書好き。ヘルシンキには図書館が38ある。
国民一人あたり20冊〜/年。日本の4倍。新聞も読む。フィンランドの伝統。
所感・感想
フィンランドの教育がわかる本。フィンランドの学力レベルが高いので教育関連の本はほかにもたくさん出版されていますが、この1冊でけ結構網羅できる部分があります。
先生の社会的地位が高くても、先生になるハードルが高くても給与は高給取りではないようです。
本当に尊敬される職業のようで、フィンランドのこどものなりたい職業ランキングで上位に入ることも多いとか。そんな先生に教育を受けるフィンランド国民が正直うらやましくも思います。